おうちコラム
自然素材の良さ
私自身、全く、オーガニックや、自然素材にこだわるタチではなかったのですが。。
(なんだか高そうだし。。。と、どちらかというと興味がなかったです…)
それらを一度でも、五感で体感してしまったらもう…!
忘れることはできません。
知らなければ知らないで済む。
しかし知ってしまったら…
マンションのリフォーム時、何も知らない我が家は、ただビニールクロスの柄と、照明を選んだくらいで、まあ普通に綺麗な状態になりました。
当時はそれで良かったのです。
しかし、上に引っ越してきた方から招待を受けてお邪魔したときに、衝撃を受けました。
無垢の床に和紙の壁紙。
厳選された天然素材の家具と照明。
同じ部屋なのに全然居心地の良さが違うことにショックを受けました。
自分の部屋に戻ると、何の味もない、ツルツルなイメージのものばかり。
自然素材のことをはじめて知った日の記憶は今も鮮明です。
子どものおむつでも、オーガニック素材のものは多少値が張りますが、やはり肌触りはいいですしね。
そういうところから、是非一度、五感で体感していただけたらな。。。と、十二の家は考えます。
「メンテナンスフリー」の考え方
欧米の家は、年を重ねるほど価値が高まると言われています。
日本では、住宅といえば新築が一般的ですが、欧米では中古住宅の流通が新築を大きく上回っています。
築100年近くたった家でも、住みやすくリフォームしながら、貴重な資産として受け継がれています。
よく海外ドラマなどで、お家の壁を塗ったり、自分たちで壁紙を貼り変えたりしているシーンをみかけますが、住む人がメンテナンスをしながら、自分の家を好きなようにアレンジして住むという文化が根付いているからです。
一方、日本で販売される住宅の8割は新築です。ここ数年で、中古住宅の流通も増えてきましたが、日本の中古住宅はまだまだ資産価値が低いのが現状です。
また最近は『メンテナンスフリー』という言葉がもてはやされ、できるかぎり家の手入れに時間や費用をかけたくない、という希望を持たれる方が増えています。
メンテナンスフリーとは、「メンテナンスが必要ないから手軽だ」という意味で使われる言葉ですが、見方を変えれば「メンテナンスができない家」ということもできます。
メンテナンスができないのだから、完成時が一番価値が高く、時間の経過とともに価値が下がるのは当然です。
だから日本の中古住宅は資産価値が低いのです。
メンテナンスフリーの家と対極にあるのが、自然素材を使った家です。
壁や床に使った木は、数年に一度はオイルやを塗り直して保護をする必要があります。
漆喰の壁は、汚れたりヒビが入っても、自分で直すことができます。
自然素材を使った家は、年を経るとともに味わいを増し、それが価値になり、メンテナンスをすることで、さらに価値が増し、愛着も増します。
欧米の家のように、メンテナンスをすることで50年100年と長持ちして、価値が上がっていく家。
自然素材の家に、住む人の手が加わることで、日本の中古住宅も価値ある家になる
と、十二の家は考えます。
日本の家は30年でダメになる ~其の2~
其の1では、なぜ日本の家は新建材が多く使われるのかをお話しさせていただきました。
今回の其の2では、新建材をみなさんは、本当に良しとして使っているのか?
について考えてみたいと思います。
結論から言いますと、『ただ、流れで受け入れている』ということです。
一般的に家を建てると決めたとき、大体の方は、住宅展示場に足を運び、その中から好みのハウスメーカーを選び、建築を依頼します。
すると、ほとんどのハウスメーカーでは新建材を多用した家をつくっていますので、
おそらく、それだけの理由で、知らないうちに化学物質を選んでしまっている、ということではないでしょうか。
これは私の経験談ですが、私の実家も、この流れのまま建てられた新建材の家でした。
ビニールクロスは当たり前、床は合板フロア。
生まれたときからそれが当たり前でしたので、その素材について気にしたことはありませんでした。
しかしある日、友人宅に遊びに行き衝撃を受けました。
その友人宅は、入った瞬間から空気が違うのがわかりました。
子どもながらにその時の感覚はまだ覚えています。
スリッパも靴下も履かなくてよく、とても静かなのに温かみを感じるお家でした。
今わかりますが、友人宅のお家は、自然素材が使われていたのです。
そのときは、気持ちよい家だなくらいにしか思いませんでしたが、今こうして家づくりの仕事に携わってみると、その大事さがとてもよくわかります。
そして、家を建てるとしたら、あの空気感のある家がいい。
それは、違いを知っているからこそわかったことで、
是非多くの方にもその違いをわかっていただけたらいいなと思います。
一生に一度の家づくりですから、思いを込め、自分の気に入った家を建て、長く住む。
こんな当たり前の住まい方ができないのが、日本の家づくりの現状です。
住む人が本当に「好きな家」を建てていないこと。
それが日本の家が、30年でダメになる理由ではないかと、十二の家は考えます。
日本の家は30年でダメになる~其の1~
みなさんが「家を建てたい」と思うのはどんなときでしょうか。
結婚する、家族が増える、子どもが小学校に入学する…。
家を建てる人の多くは20代後半から30代。
人生の節目のタイミングで家づくりをはじめます。
そして子どもたちも巣立ち、ちょうど定年退職を迎えるころになると、家のあちこちの
痛みが目立ちはじめ、自分たちの体力もあいまって、住まいに対する不満を感じはじめます。
そのとき、建て替えるのか、リフォームをするのか、それとも我慢して住み続けるのか。
日本では大体の方がこれで悩んでいます。
日本の木造住宅の寿命は、世界的に見てもとても短く、おおよそ30年と言われています。
日本特有の高温多湿な気候により、カビが発生したり、構造に使われる木が腐ったりして
ダメになることも理由のひとつなのですが、それに拍車をかけているのが、サイディングボードやビニールクロスなどを代表とする、化学物質からつくられた新建材です。
このような建材で家の外側と内側を覆ってしまえば、構造内にカビが発生するなどして、
木の痛みが進むのも当然です。
では、なぜこのような建材が定番となっているのでしょうか?
それは戦後の高度経済成長期に住宅が不足し、大急ぎで家を供給しなければならなかったという事情があったからでした。
早く、安く、大量につくれる家。
つまり工場で大量生産できる新建材を、現場で素早く組み立てる仕組みが、戦後の家づくりには必要だったのです。
この新建材のおかげで、多くの人が家をもてるようになりました。
しかしその結果として、時代が変わっても、街には化学物質だらけの家があふれ、30年という短い年月でダメになっては建て替えるということが繰り返されているのです。
それが日本の家の特徴になってしまったのです。。。
家は建て替えるものではなく、価値を引き継ぐもの
住宅を建てるときに使う建材は、年々上がっています。
ウッドショック、円安の影響などなど、ここ数年は特に上り幅が大きいです。
そのため、最近は、小さめの家を建てることで使う建材の量を減らして、全体予算を下げるケースが多くなっています。
つまり、昔より、今建てられる家は、小さくなっているという現象が起こっています。
さらに、今後、住宅ローンの金利は上がる可能性が高いと言われています。
しかも建材の価格は上がり続けることが予想されているため、将来的に新築で家を建てることは、建材費、金利の上昇という悪条件が重なり、今よりも予算は上がり、難しくなっていくと言わざるをえません。
だからこそ、今から家を建てる人には、次世代へ引き継げるような価値ある家を建ててもらいたいのです。
普遍的でシンプルなデザイン。
ライフスタイルの変化に対応できる間取りや、長持ちするように考えられた設計。
そして、年月を経ることで劣化するのではなく、ときを刻めば刻むほど風格を増し、価値が高まる家。
これから建てられる家は、そういう家でなくてはなりません。
次の世代へ引き継げる家を建てておけば、自分たちの子どもが大人になったときに、
大事に住んできた家を継承したり、年を重ねたときに売ったりすることができます。
そしてそのお金で自分たちの状況に合わせて、交通の便が良いマンションや、高齢者専用の賃貸住宅などのコンパクトな住宅に良い形で住み替えをするという選択をもつことができます。
何十年後かに壊して建て替えられてしまう家ではなく、価値が引き継がれる家をつくること。
それが老後の豊かな暮らしまでを見据えた家づくりです。
これから家をたてるなら、そこまでの将来的なプランを描いておきたい…
と、十二の家は考えます。